本を書く場合、どういったメリット(デメリット)があるかをまとめてみました。
そんなわけで、今回触れたいのは以下の通りです。
- メリット1:搬入物を予想・準備しやすい
- メリット2:執筆が途中で行き詰まりにくい
- デメリット:Web連載長編小説には向かないことも……
- まとめ:この手法でストレスなく書ける人にはメリットが大きい!
メリット1:搬入物を予想・準備しやすい
ページ数を事前に決めておくと、
当然ながら印刷所で何ページの本を何冊発注するか、が予想できます。
発注数が予想できるということは、一冊いくらで頒布するかがあらかじめ決められます。
値段が決まっていると、「値札」や「お品書きボード」を先に作ってしまえるのです。
値札などを先に作る意味は?
→発送作業がしやすい。
即売会イベントに参加する場合、近場の方は良いのですが、
「北海道から大阪のイベント会場まで飛行機で遠征する」
「九州から東京のイベント会場まで二泊三日で遠征する」
などなど、遠方になると手荷物はなるべく少なくしたいもの。
ほとんどの即売会は、そんな方のために
「会場に事前にダンボールで荷物を送ってよい」
となっているものです。
通常、ダンボールの中身は、
「以前発行した既刊誌の在庫」とか、
「敷き布・ポスタースタンド・お会計用の電卓」とか、
「値札・お品書きボード」とか
を詰め込んで皆さん送ってらっしゃいますね。
ですがこの「荷物で送ってよい」というのにはいくつか規則があり、
たとえば、
「イベント主催者が指定する運送会社しか使ってはいけない」
「イベント○日前に荷物が届いていないといけない」(※イベント当日到着は厳禁!)
などがあります。
この「イベント○日前に荷物が届いていないといけない」というのが、
地方者にはなかなかきついもので、
地方からイベント会場まで宅急便を使おうとすると、
三日前後かかってしまいます。
具体的には……
イベントが9月30日(日曜日)に開催されると仮定して、
イベント主催者側が取り決めた「○日前必着」というのがたとえば「2日前必着」だったとすると、
9月28日までに荷物が着かないといけません。
すると地方在住者は、9月28日に到着させるべく、
9月25日には発送手続きを済ませなければいけません。
その前日に梱包作業をするとしても、
イベントが9月30日なのにも関わらず、
荷物発送準備を9月24日に終わらせる必要があります。
約一週間前段階で、
- おしながきボード
- 値札
- (各頒布物の値段を記載した)ペーパー
などをまとめて梱包。
……なかなかハードスケジュールですよね。
しかも、最近の印刷所はどこも締切が遅めに設定されていて、
「イベント一週間前の段階なんて、まだまだ原稿修羅場中だよ!」という方も多いです。
バタバタしながら発送準備をしていると、
送り忘れが増えたり、
Web上での告知が遅れて売り上げにダイレクトに影響したり……。
値段があらかじめ決まっていれば、
まだ締切まで余裕がある、忙しくないタイミングで、
値札やお品書き、ペーパーの作成、梱包準備が始められます。
予約通販の対応も可能ですね。
メリット2:執筆が途中で行き詰まりにくい
ページ数を先に決めての執筆のしかたについては、
完成予想ページ数を決めてから執筆に取り掛かる方法 でお話していますが、
「あらすじのこの場面からこの場面までを3ページで描写する」など、
細かく区切っていくことになりますので、
途中で大幅な矛盾点が発覚した! 等のトラブルがなければ
同じくらいのペースで書き続けることが可能です。
デメリット:Web連載長編小説には向かないことも……
同人誌とは直接は関係ない話なのですが、
同じ手法をWeb連載(小説家になろうなどの投稿サービスでの長編連載)で用いようとすると、
事前準備にかなり時間がかかってしまっていつまでたっても取り掛かれない……
なんてことにもなりますので、
50万字を超える小説を執筆されるのにはあんまり向かないかもしれません。
(事前準備が綿密に終われば長編連載に用いるのも可能ではあります)
まとめ:この手法でストレスなく書ける人にはメリットが大きい!
手順については、
完成予想ページ数を決めてから執筆に取り掛かる方法 でお話していますが、
この方法でストレスなく書けるなら、こちらの方が便利かなと思います。
自分の本の原稿だけでなく、
他の方が主催する公募アンソロジーなどに原稿を寄稿する場合にも、
「寄稿する原稿はだいたい6ページくらいになると思います!」
と事前に主催さんに伝えることができます。
(※事前にページ数がおおまかにでも分かると、主催側としては喜ばれるはずです)
もちろん、同人活動は自分が楽しく続けられることが一番大事です。
上記の手法が肌に合わない場合は、むりやりページ数に神経質になるのではなく、
ご自身の方法で書き進められた方が良いですよ。
ページ数を決めて書く方法→【最初にページ数を決めて小説を書く手段】
それでもページ数がズレた場合のページ埋め→【ページが余った場合の対処方法】